Apple Pencil (USB-C)とApple Pencil Proは、どちらもiPadでの手書き入力やイラスト制作を快適にするためのスタイラスペンですが、その機能や対応機種、価格帯には明確な違いがあります。本記事では、それぞれの特徴を詳しく比較しながら、どんなユーザーにどちらが適しているのかを解説します。
1. 発売時期と位置づけの違い
Apple Pencil(USB-C)は2023年に登場したモデルで、従来の第1世代と第2世代の中間に位置づけられるエントリーモデルです。価格を抑えつつ、現行iPadシリーズで使いやすい仕様にアップデートされたのが特徴です。イメージとしては第1世代の進化版みたいな製品です。
一方、Apple Pencil Proは2024年にiPad Proと共に発表された最新かつ最上位モデルで、プロ向け機能を多数搭載しています。特にMシリーズチップを搭載した高性能iPad向けに設計されており、クリエイティブ用途に特化した性能強化が図られています。そのため、今までのApple Pencilの中で最も高価です。イメージとしては第2世代の進化版ですね。
2. デザインと充電方式
Apple Pencil(USB-C)
Apple Pencil(USB-C)はその名の通り、本体側面にUSB-Cポートを備えています。充電やペアリングはケーブル接続で行う方式です。保管目的としてマグネットでiPad側面に装着することは可能ですが、ワイヤレス充電には対応していません。
シンプルな設計で軽量なうえ、日常使いには十分な性能を持っています。そのため、必要最低限の使用目的ならApple Pencil(USB-C)で十分です。ただし、Apple Pencil Proのダブルタップ機能や圧力感知機能は搭載されていません。
Apple Pencil Pro
Apple Pencil Proは完全ワイヤレス設計で、対応iPadの側面にマグネット装着するだけで自動ペアリング・充電が可能です。Apple Pencil(USB-C)の様にポートが無いため、従来の第2世代と似ていますが、外見からは分からない内部センサーや機能が大幅に進化しています。
3. 筆圧感知と描画性能
描画機能において最も大きな違いが「筆圧感知」です。
この筆圧感知は、線の太さや濃淡をPencilへの力加減で操作できる機能でProにのみ搭載されています。それ以外でのPencilでも線の太さや濃淡を変えることはできますが、アプリ側の設定や傾き検知で補う形になるため直感的な操作ができません。メモ書きや学習用途、簡単なイラストには問題ありませんが、本格的なデジタルアート制作にはやや物足りない仕様です。
一方、Apple Pencil Proは高精度な筆圧感知に対応しており、微妙な力加減をそのまま線に反映できます。さらに傾き検知も搭載しているため、鉛筆のような自然な表現が可能です。マーカーを縦横使い分けられるイメージですね。
これだけでも、イラストレーターやデザイナーにとっては大きなアドバンテージとなります。
4. まだまだあるProだけの新機能
Apple Pencil Proには、以下のような先進機能も搭載されています。
スクイーズ操作
ペンを一瞬軽く握る(スクイーズする)ことで、使いたい機能をすぐに使えるツールパレットを表示できます。作業中のツール変更が直感的に行えます。
バレルロール
ペンを回転させることでブラシの角度を調整できます。カリグラフィやペイント作業において、より自然な表現が可能です。
触覚フィードバック
内蔵されたハプティックエンジンにより、操作時に振動フィードバックが返ってきます。物理的な感覚が加わることで、よりリアルな操作体験が実現されています。
これらの機能は、主にクリエイター向けの強化ポイントといえるでしょう。
「探す」アプリ対応
また、Apple Pencil Proは「探す」機能に対応しており、紛失時に位置を確認できます。これはUSB-Cモデルにはない安心機能です。Apple Pencil USB-CにはiPadにくっ付けて保管するためのマグネットが付いていますが、それだけじゃ不安だという方はApple Pencil Pro一択になるかもしれません。
5. 対応iPadの違い
Apple Pencil (USB-C)よりも数多くの先進機能を搭載しているApple Pencil Proですが数少ないデメリットとして価格以外に挙げられるのが「対応しているiPadの数」です。
Apple Pencil(USB-C)は比較的幅広いiPadに対応しています。エントリーモデルやAirシリーズなど、多くのUSB-C搭載iPadで利用可能です。
対応機種
- iPad Pro 13インチ (M4、M5)
- iPad Pro 11インチ (M4、M5)
- iPad Air 13インチ (M2、M3)
- iPad Air 11インチ (M2、M3)
- iPad Pro 12.9インチ (第3、第4、第5、第6世代)
- iPad Pro 11インチ (第1、第2、第3、第4世代)
- iPad Air (第4、第5世代)
- iPad mini (第6世代)
- iPad mini(A17 Pro)
- iPad (第10世代)
- iPad (A16)
一方、Apple Pencil Proは最新のMチップ搭載iPad(例:iPad ProやiPad Airの一部モデル)専用です。下との表を見ても分かる通り対応モデルが非常に少ないため、購入前に自分のiPadが対応しているか確認しておく必要があります。
対応機種
- iPad Pro 13インチ (M4、M5)
- iPad Pro 11インチ (M4、M5)
- iPad Air 13インチ (M2、M3)
- iPad Air 11インチ (M2、M3)
- iPad mini(A17 Pro)
6. 価格の違い
価格面で両者には大きな差があります。
Apple Pencil(USB-C)は13,800円(税込)と、比較的リーズナブルな価格設定で、学生や一般ユーザーでも手が届きやすいモデルです。
一方のApple Pencil Proは21,800円(税込)と、上位機種のため価格は高めですが、搭載機能を考えれば妥当な設定とも言えます。8000円の価格差をどう捉えるかは人それぞれですが、プロ用途であれば十分に投資価値があるでしょう。
7. 結論どちらを選ぶべきか?
用途によっておすすめは大きく変わります。
Apple Pencil(USB-C)が向いている人
- ノートやメモを中心に使う
- イラストは簡単なものだけ
- 価格を抑えたい
- 学生用途
Apple Pencil Proが向いている人
- 本格的なイラスト制作を行う
- デザインやクリエイティブ作業が中心
- 操作性や表現力にこだわりたい
- 最新iPadを所有している
- 「探す」機能を使いたい
まとめ
Apple Pencil(USB-C)はコストパフォーマンスに優れたスタンダードモデルであり、日常用途には十分な性能を備えています。一方、Apple Pencil Proは筆圧感知やスクイーズ操作、バレルロール、触覚フィードバックなどの高度な機能を備えたプロフェッショナル向けモデルです。
「文字を書くこと」が中心ならUSB-Cモデルで十分ですが、「作品を作ること」が目的ならProモデルが圧倒的に有利です。
自分の用途と予算、そしてお使いのiPadの対応状況を確認したうえで、最適な1本を選びましょう。

