今、非常に盛り上がりを見せているリセール市場。
必要十分な高機能家電や懐かしいグッズがお得な価格で手に入ることから、新品ではなく中古品を購入する人が増えています。物価高の今、少しでも家計の負担を減らせるのはありがたいですね。
中でも、活気づいているリセール市場の中に中古スマホがあります。年々、中古スマホの取引高が増えている要因は主に3つ。まず、先ほどの物価高です。
毎日の生活に関わる食材や光熱費が上がるなか、スマホの本体価格も年々、人件費や材料費、円安の影響で上がり続けています。そして、2つ目はスマホ性能の飽和です。
2007年に初代iPhoneが発売されてから、18年が経つ今日までに数々の進化を遂げてきたスマートフォンですが、そろそろ性能が頭打ちになってきました。各社メーカーが1年に1回という異常なサイクルスピードで新型が発売されますが、正直、前モデルとの性能差はあまり変わっていないというのが実情です。
このことに気づき始めた消費者が、わざわざ新品価格で買わなくても、ほとんど性能の変わらない型落ちモデルを買った方が、お得だと感じているのでしょう。そして、3つ目はスマホ普及率の高さです。
言うまでもありませんが、1人1台スマホを持っているのが当たり前の時代、スマホのリセール市場が活気づくのは必然といえますね。普通のパソコンは持っていなくても、小さなパソコン(スマートフォン)は持っているという人は星の数ほど増えました。昔じゃ考えられません。
このように、中古スマホが今注目されつつありますが、まだまだ「中古スマホは危ない」「中古スマホはやめとけ」と思っている人が多いのではないでしょうか。
携帯ショップやメーカー直販売所で新品を買うのは色々と簡単ですが、中古スマホであれば歴代モデルから選べるうえ、型落ち価格でお得に購入できます。
この記事では、中古スマホはやめとけ!とならないよう、購入時の注意点を5つ紹介していきます。ぜひ参考にして、中古スマホを検討してみて下さい。



中古スマホの注意点①:バッテリー状態

中古スマホを購入する際、必ず確認しておきたいのが「バッテリー状態」です。
スマホのバッテリーはリチウムイオン電池が使われており、充放電を繰り返すたびに少しずつ劣化していきます。劣化が進むと、一回の充電で使える時間が短くなるだけでなく、突然電源が落ちる、再起動を繰り返すなどの不具合の原因にも。特に中古スマホは前の所有者がどのように使っていたかわからず、外観がきれいでも内部のバッテリーが大きく劣化している可能性があります。
まず目安となるのが「バッテリー最大容量(健康度)」です。iPhoneであれば「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」から最大容量を確認でき、80%以上であれば比較的良好とされますが、85%以上が望ましいです。
Androidの場合は機種によって確認方法が異なりますが、ほとんどのデバイスはシステム上で簡単に確認できないことが多いです。中古ショップによっては「バッテリー新品交換済み」と書いていることがあるため、購入する際は販売ページの詳細事項を確認しましょう。この点、iPhoneはAndroidよりも中古端末として購入しやすいですね。
さらに、バッテリー膨張の有無も要確認です。バッテリーが劣化するとガスが発生し、膨張して画面が浮く、背面パネルが歪むといった症状が出ることがあります。外観チェックの際にわずかでも浮きや歪みがあれば購入は避けるべきです。また、充電してもすぐに減る、使用中に極端に発熱する端末もバッテリー劣化の兆候です。
中古ショップでの購入であれば、保証の有無も重要です。バッテリーの不良は購入直後に気づくことが多いため、1週間~1ヶ月程度の初期不良保証がついている店舗を選び、届いたらすぐに充電・使用して状態をチェックしましょう。
最後に、価格だけでなくバッテリーの状態を加味したコスパで選ぶことが大切です。安価でもバッテリー交換が必要になると追加費用がかかるため、結果的に割高になる場合もあります。
長く安心して使いたいなら、バッテリーの健康度が高いものや交換済みのものを選ぶ方が安心できるでしょう。

中古スマホの注意点②:SIMロック解除

中古スマホを購入するとき、見落としがちですが重要なのが「SIMロック解除の有無」です。
新品でスマホ購入するとき、SIMロックを考慮する人はほとんどいませんが、中古で買う際、商品状態に記載されていることがほとんどです。
SIMロックとは、購入したキャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)のSIMカードしか使えないように制限がかかっている状態を指します。このロックがかかっていると、他社のSIMカードを挿しても通信できず、別キャリアで使おうとしても使えない可能性があります。
特に格安SIM(MVNO)に乗り換える場合や海外で使用する場合、SIMロックが解除されているかどうかで利便性が大きく変わります。SIMロックがかかったままのスマホを購入してしまうと、自分で解除申請を行う必要がありますが、解除できるのは原則として元の契約者本人、もしくはキャリアの条件を満たした端末だけです。つまり、中古購入後に解除できないリスクもあるのです。
そのため、中古スマホを選ぶ際は、商品説明や店舗に必ず「SIMロック解除済み」と明記されているか確認しましょう。もし記載がなければ、販売元へ問い合わせて確実に確認することが大切です。オークションやフリマアプリの場合、個人間取引で返品できないケースも多いため、特に慎重になる必要があります。
ちなみに、2021年10月以降に発売されたスマホは、総務省のガイドラインにより原則SIMロックが禁止されるようになりました。そのため基本的にはロックがかかっていません。しかし、それ以前のモデルや古いiPhone・Android端末の場合はまだSIMロックがかかっている可能性があります。たとえ安くてもSIMロックが解除できない端末を購入してしまうと、後々の通信費節約や利便性が損なわれる可能性があるので注意が必要です。
さらに、SIMロック解除済みであっても、デフォルトのアプリや機能、周波数帯(バンド)がSIMフリー端末と異なっています。初期化した際、携帯ショップ独自のアプリがプリインストールされていたり、一部のキャリアで電波を掴みにくい場合があるため、そういったゴタゴタが面倒な方は、SIMフリー端末を購入するのがオススメです。ちなみに、SIMフリー端末は基本的にSIMロック解除済み端末よりも高額の傾向にあります。
まとめると、中古スマホを購入する際は以下のポイントを必ず確認しましょう。
- SIMロック解除済みかどうか。
- 対応バンド・VoLTE対応状況。
- 商品説明だけでなく店舗・出品者へ直接確認。
- ロックが解除できない場合のリスク。
これらを確認してから購入すれば、中古スマホでも自由にキャリアを選んで快適に利用できます。SIMロック解除の有無は、中古スマホ選びにおける大事なチェックポイントとして覚えておきましょう。

中古スマホの注意点③:ネットワーク利用制限

中古スマホを購入する際に絶対に確認すべきポイント3つ目が「ネットワーク利用制限」です。赤ロムと言ったりもしますね。
ネットワーク利用制限とは、スマホが過去に分割払いで購入されたものの代金未払いがある場合や、盗難・紛失の届け出がされている場合に、キャリアがその端末の通信を制限する仕組みです。制限がかかると電話やデータ通信が使えなくなり、Wi-Fi運用しかできなくなるため、せっかく購入したスマホが実質文鎮化してしまうリスクがあります。
ほとんどの中古スマホにはかけられていませんが、相場よりも異常に安いスマホなどにはネットワーク制限がかけられている場合が多いです。
中古サイトによっては「○(制限なし)」「△(残債あり)」「×(利用制限中)」のように表示される仕組みが用意されており、製造番号(IMEI)をキャリアの公式サイトに入力することで状態を確認可能です。必ず購入前にIMEIを販売者に確認し、キャリアサイトで調べてから購入するようにしましょう。特に△の状態は今は問題なく使えるものの、元の購入者が支払いを滞ると後から×に変わるリスクがあるため注意が必要です。
また、メルカリやヤフオクなど個人間取引では「ネットワーク利用制限保証なし」の出品も多く、安くても×の場合は避けるのが無難です。信頼できる中古販売店の場合、多くがネットワーク利用制限永久保証を付けているため、トラブル回避の観点からも安心して購入できます。
万一、購入後に×になってしまった場合、キャリアに申し出ても購入者本人でない限り解除はほぼ不可能です。スマホの見た目や価格だけで決めず、IMEIによるネットワーク利用制限の確認を必ず行うことが、中古スマホ購入で失敗しないための大切なポイントです。

中古スマホの注意点④:スマホ本体の機能不良

中古スマホを購入する際、価格の安さだけに目を奪われると、思わぬ機能不良に当たってしまうことがあります。
特に注意すべきは「バッテリーの劣化」です。これは先ほども説明しましたが、特に低価格な中古スマホの中には、まともに機能しないほどバッテリー劣化が進んでいる製品があります。購入直後にバッテリー交換を想定している人には問題ないのですが、そうでない場合は絶対に避けるようにしましょう。
次に注意すべきは「画面表示の不良」です。有機ELディスプレイ搭載機の場合、焼き付きが発生している場合があり、白背景でうっすらと残像が見えることがあります。またタッチ不良が起きている端末もあり、一部だけ反応しない、誤作動を起こすことがあるため、そういった記載事項がないか確認しましょう。
「カメラ機能」も重要です。レンズの傷や内部の曇りによって、写真が常にぼやけたり白っぽくなる場合があります。「スピーカー・マイク不良」も中古スマホで意外と多いトラブルです。落下や水濡れが原因で音が小さくなる、ノイズが混じる場合があります。
また「ボタン類の動作不良」にも注意が必要です。電源ボタン・音量ボタン・ホームボタンが反応しない場合、通常利用に支障をきたします。加えて「Face IDやTouch IDの認証不良」も要注意ポイントで、落下や修理履歴が原因で使えなくなっている場合があります。
中古スマホはコスパの良い選択肢ですが、上記の機能不良に注意し、動作確認・保証の有無をチェックすることで失敗を防げます。きちんとした中古サイトであれば、各商品ページに記載されているので必ず確認しましょう。
中古スマホの注意点⑤:商品グレード

中古スマホを購入する際、多くのショップやフリマアプリでは「グレード(ランク)」が記載されています。これは商品の外観や状態を示す指標で、Aランク、Bランク、Cランクなどアルファベットで表記されることが一般的です。
Aランク(もしくはSランク)は、使用感がほとんどなく新品に近い状態を指します。画面や背面に目立つ傷はなく、バッテリーの劣化も少ないことが多いため、快適に使いたい人におすすめです。ただし価格は高めで、新品との差額が小さい場合もあるため、価格差を確認した上で検討しましょう。
Bランクは、軽微な傷や使用感があるものの、機能面には問題のない端末です。小さなスレやフレームの浅い打痕がある場合がありますが、ケースを付ければ気にならないレベルのことが多く、コストを抑えながら使えるバランスの取れた選択肢です。
Cランクは、目立つ傷や打痕、塗装剥がれがある場合が多く、外観にこだわりがない人向けです。価格は大きく下がりますが、画面割れやタッチ不良がないか、ショップの保証内容を必ず確認しておきましょう。場合によってはバッテリーの消耗が進んでいることもあるため、交換費用込みで検討するのがおすすめです。
このように中古スマホのグレードは価格と状態のバランスを見極めるための大切な目安です。安さだけで飛びつかず、自分がどこまで傷を許容できるか、バッテリー状態を含めたトータルのコストを考えて選ぶことで、後悔のない中古スマホ選びができます。
オススメの中古スマホサイト2選


最後にオススメの中古スマホサイトを紹介!
一つ目は伊藤忠グループが運営する「にこスマ」です。にこスマでは、高品質スマホを取り扱う通称「三つ星スマホ」をメインに販売しています。この「三つ星スマホ」は、この記事で解説したネットワーク制限やバッテリー不良、機能不良、SIMロックがないため、中古スマホが初めての方でも安心して購入できます。
また、iPhoenに関してはバッテリーの最大容量がきちんと記載されているので、安心して購入できます。
他の販売サイトと比べても、高品質な中古スマホばかりが揃っているため少し高価ですが、安心して中古スマホを購入したい方にはオススメのサイトです。
2つ目のおすすめ中古スマホサイトは、「イオシス」です。イオシスでは、他サイトに負けない圧倒的な在庫数が魅力的。iPhoneでは合計1万台もの品数を誇っています。また、各モデルごとにきちんとカテゴリ分けされているので、すぐに欲しいモデルが見つかりますよ。
ぜひ、この2つのサイトで中古スマホ購入してみて下さい。
まとめ:中古スマホは「ポイントを押さえれば賢い選択肢」
物価高が続く今、スマホにかかる費用を抑えるために「中古スマホ」を選ぶ人が確実に増えています。しかし「中古スマホは危ない」「やめとけ」と言われる背景には、購入時に押さえるべきポイントを知らずに買い、失敗してしまう人がいるからです。
今回解説した以下の5つのポイント:
1️⃣ バッテリー状態
2️⃣ SIMロック解除の有無
3️⃣ ネットワーク利用制限の有無
4️⃣ 本体機能の不良チェック
5️⃣ 商品グレードの理解
これらを確認しながら選べば、中古スマホでも「新品同様に快適」に使える端末を手に入れることは十分可能です。特にバッテリー状態とネットワーク制限は見落としやすい部分なので、店舗や出品者に必ず確認し、保証がある店舗での購入を優先することが大切です。
新品価格の半額以下で手に入れられる場合も多く、同じ予算でもワンランク上のモデルを選べるのが中古スマホ最大のメリットです。適切なポイントを押さえながら賢く選び、あなたの家計と日常を支えるパートナーとして活躍させていきましょう。中古スマホは「安かろう悪かろう」ではなく「賢く選んでお得に使う時代」になっていますよ。