「Arrow LakeってIntelの新しいCPUらしいけど、前の世代と何が変わったの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。
2024年に登場したIntelの第15世代CPU「Arrow Lake(Core Ultra 200Sシリーズ)」は、パフォーマンスコア(Pコア)のアーキテクチャを大幅に刷新した重要なモデルです。
この記事では、Intel Arrow Lakeの特徴・性能・前世代(Raptor Lake)との違い・ゲーミング・クリエイター向けの評価をわかりやすく解説します。

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Arrow Lakeとは——第15世代Intel CPUの概要
Arrow Lake(アロー・レイク)は、Intelが2024年10月に発売した第15世代デスクトップCPUで、正式名称は「Intel Core Ultra 200Sシリーズ」です。
Arrow Lakeの主な特徴は以下の通りです。
- Lion Coveアーキテクチャを採用したPコア(Pコア:パフォーマンスコア)
- Skymontアーキテクチャを採用したEコア(Eコア:効率コア)
- Intelが「Intel 20A」と呼ぶ独自プロセスノード(TSMC N3Eを使用)
- NPU(Neural Processing Unit)を内蔵したAI処理専用ユニット搭載
- LGA 1851ソケット対応(新しいマザーボードが必要)
名称が「Core i」シリーズから「Core Ultra」シリーズに変更されており、ブランド体系の刷新も行われました。

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Arrow Lakeのラインナップ——Core Ultra 200Sシリーズの種類
Arrow Lakeのデスクトップモデル(Core Ultra 200Sシリーズ)は主に以下のモデルがあります。
- Core Ultra 9 285K:24コア(8Pコア + 16Eコア)・最大5.7GHz・最上位モデル
- Core Ultra 7 265K:20コア(8Pコア + 12Eコア)・最大5.5GHz
- Core Ultra 7 265KF:265KのGPUレス版
- Core Ultra 5 245K:14コア(6Pコア + 8Eコア)・最大5.2GHz
- Core Ultra 5 245KF:245KのGPUレス版
「K」付きモデルはオーバークロック対応、「F」付きモデルは内蔵グラフィックスなし(独立GPUが必要)です。

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Arrow Lakeと前世代Raptor Lakeとの性能比較
Arrow Lakeは前世代の「Raptor Lake(第14世代Core i9/i7/i5)」と比較して、どのくらい性能が向上したのでしょうか。
シングルコア性能(ゲームに重要)
残念ながら、発売当初のArrow Lakeはゲーミング性能においてCore i9-14900K(Raptor Lake)に対して同等またはやや劣るという評価が多く出ました。
Intelは発売後にBIOSアップデートで性能改善を行いましたが、競合のAMD Ryzen 9000シリーズと比べると差が縮まっています。
マルチコア性能(クリエイター作業に重要)
動画エンコード・3Dレンダリングなどマルチスレッドを活用する作業では、Arrow LakeのEコアの増強によるマルチコア性能の向上が見られます。
Cinebench R23やBlenderのレンダリングスコアではRaptor Lakeを上回るケースもあります。
消費電力・発熱の改善
Arrow Lakeの大きなメリットのひとつが消費電力の大幅削減です。
Raptor LakeはMTP(最大ターボパワー)が200W以上に達することもありましたが、Arrow LakeはPBPが125W・MTPが250Wと引き下げられ(ただしKモデルはオーバークロック時を除く)、アイドル時の消費電力が特に改善されています。

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Arrow LakeのNPU——AI処理への対応
Arrow LakeはIntelの「Meteor Lake」から導入されたNPU(Neural Processing Unit)を引き続き搭載しています。
NPUはAIワークロードを効率的に処理するための専用コアです。
- Copilot+ PC(Microsoft AIアシスタント機能)の要件(40TOPS以上)を満たす
- Adobe Premiere・Photoshopなどのアドビ製品のAI機能(生成AI・Fireflyなど)が高速化
- Windows 11のAI機能(「Recall」など)が利用可能
AI処理への投資という観点では、Arrow LakeのNPU搭載は将来性のある選択です。
ただし現時点ではNPUをフル活用できるソフトウェアがまだ限られているため、購入の主要な動機にはなりにくい状況です。

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Arrow LakeはLGA 1851ソケット——マザーボード選びの注意点
Arrow LakeはLGA 1851という新しいCPUソケットを採用しています。
これは前世代のLGA 1700(Raptor Lake・Alder Lake)と互換性がないため、新しいマザーボードが必要です。
対応チップセットは「Intel 800シリーズ(Z890・B860・H870・H810)」です。
Z890が最上位でオーバークロック対応、B860はマルチグラフィック非対応ながら比較的手頃な価格です。
PCを完全に新規で組む場合はLGA 1851対応マザーボードを、Raptor Lakeから流用したい場合はCPUとマザーボードの両方交換が必要な点に注意してください。

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Arrow Lakeはゲーマーとクリエイターどちらに向いている?
ゲーマー向けの評価
発売当初のゲーミング性能はRaptor Lakeに対して期待外れとの声が多く出ましたが、BIOSアップデートによる改善後は多くのゲームタイトルで同等またはそれ以上の性能を発揮するようになっています。ゲームが主目的であれば競合AMD Ryzen 9000シリーズも含めて検討するのが賢明です。
特にゲームのフレームレートを重視するなら、Ryzen 7 9700Xもコスパが高い選択肢です。
クリエイター向けの評価
動画エンコード・3Dレンダリング・AIアップスケーリングなどクリエイティブ作業においてはArrow Lakeは優秀です。
NPUによるAI処理加速・マルチコア性能の向上・低消費電力といった特性が、長時間のレンダリング作業では有利に働きます。

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まとめ:Arrow Lakeは消費電力改善とAI特化の第15世代CPU
- Arrow Lakeは第15世代Intel CPU「Core Ultra 200Sシリーズ」。Lion Cove・SkymentアーキテクチャでEコアを大幅強化
- ゲーミング性能は発売当初は期待外れだったが、BIOSアップデートで改善
- 消費電力・発熱はRaptor Lakeより大きく改善されている
- NPU搭載でAIアプリ対応・Copilot+ PC条件を満たす
- LGA 1851ソケットで旧マザーボードとは非互換——新調が必要
- クリエイティブ作業には向いているが、ゲーム特化ならRyzen 9000も候補に
Arrow Lakeは万能のCPUではありませんが、低消費電力・AI対応・マルチコア性能のバランスが取れた次世代向けプロセッサです。
新しいPCを組む方は予算とマザーボード対応を確認したうえで選択してください。

