Intelは9月3日、ドイツにて、以前から予告していたCore Ultra(シリーズ1)の後継となる「Lunar Lake」(開発コードネーム)を正式に発表しました。ブランド名は「Intel Core Ultra 200V」です。
インテルは、本イベントにて、この新プロセッサがAMDの「Ryzen AI 300」シリーズやQualcommの「Snapdragon X」シリーズよりも性能、電力効率で優れていることやx86アーキテクチャとアプリの互換性の高さをアピール。本製品を「もっとも効率的なx86チップ」だと称しており、Meteor Lakeに比べて消費電力が約40%削減したしています。
また、今回のプロセッサから、別途マザーボードに搭載されていたDRAMがSoC上に搭載されるようになっています。そのため、搭載プロセッサによって、ノートPCのメモリ容量が変化する点が特徴です。
今回発表された「Intel Core Ultra 200V」のSKUは以下の9つです。本プロセッサの搭載PCが欲しいユーザーは、この中から搭載されたOEM製品を購入することになります。
- Core Ultra 9 288V
- Core Ultra 7 268V
- Core Ultra 7 266V
- Core Ultra 7 258V
- Core Ultra 7 256V
- Core Ultra 5 238V
- Core Ultra 5 236V
- Core Ultra 5 228V
- Core Ultra 5 226V
CPUコア数は全て同じ!
9つのSKUが発表されましたが、9つのCPUコア数は全て、Pコア4つ、Eコア4つの計8コア構成となっています。
それぞれの主な違いは、最大ターボクロック周波数や搭載GPU、NPUのTOPS数、メモリ容量など。「Core Ultra 5」シリーズは、7コア構成の「Intel Arc 130V GPU」を搭載。「Core Ultra 7/9」シリーズは、8コア構成の「Intel Arc 140V GPU」を搭載しています。
NPU単体でのTOPS数は、「Core Ultra 5」シリーズが40TOPS、「Core Ultra 7/9」シリーズが48TOPSとなっており、Copilot+ PCの準拠条件である40TOPS以上をクリアしています。
また、本プロセッサでは、消費電力を抑えるためにハイパースレッディングが廃止されました。
x86版の「Copilot+ PC」は11月に無料配布。搭載機器は9月24日から発売
今回、「Intel Core Ultra 200V」が発表されたことで、インテルとAMD、両者ともMicrosoftが提唱する「Copilot+ PC」に対応できるプロセッサが出揃いました。今まで、Microsoftは、x86版の「Copilot+ PC」の配布時期について明言していませんでしたが、9月3日に投稿したブログにて、11月から無料のWindowsアップデートを通じて、対応するAMDとIntel搭載デバイスに配布すると発表しました。
この無料アップデートで利用できるようになる機能は以下の4つです。
- 翻訳機能付きライブキャプション
- Windows Studioの背景効果(標準ぼかし、ポートレートぼかし、アイコンタクト、自動フレーミングなど)
- ペイントの共同制作者
- 写真に関するイメージのスタイル変更とイメージクリエーター
Recall機能は、10月からWindows Insiderコミュニティで最初に展開される予定です。
インテルによると、本プロセッサを搭載したノートPCは、9月24日から販売される予定で、Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、LG、MSI、SamsungのようなOEMメーカーに加えて、マウスコンピューター、サードウエーブ、ユニットコムなどの日本のOEMメーカーからも製品が販売される予定です。