飛行機内での携帯電話による通信は、航空法で禁止されています。
これは、航空機の無線設備と地上の無線設備との間の通信に干渉し、航空機の安全に支障をきたすのを防ぐためです。もし、機内モードをONにせず、携帯電話を使用するとどうなるのでしょうか?
50万円以下の罰金が科せられるかもしれない

機内モードをONにせず携帯電話を使用すると、航空法第73条の4に違反することになり、機長から命令書とともに、禁止命令を受けます。
禁止命令を受けても行為をやめない場合は、航空法に基ずく罰則として50万円以下の罰金が科せられる場合が!
その他にも、搭乗を断られたり、警察への通報や損害が発生した場合の賠償金を払う事態になります。そのため、おとなしくキャビンアテンダントさんの指示に従って、機内モードにすることをお勧めします。
国土交通省:航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用制限について
ちなみに、無線式ヘッドホン/イヤホンによるBluetooth通信はOKです!
機内Wi-Fiの利用はOK

離陸から着陸までの間、ずっと機内モードにしないといけませんが、機内モードにしたまま機内Wi-Fiを利用するのはOKです。
そのため、飛行機内でパソコンやスマホによるインターネット通信が全くできないというわけではなく、各航空会社が用意している機内Wi-Fiを利用すれば、退屈せずフライト時間を過ごせますよ。
ただし、航空会社や各機体によって、機内Wi-Fiが用意されていない場合があるので、利用したい方は予約の段階でチェックしておくと良いです。
機内サービスを簡素化して、航空運賃を安くする格安航空会社(LCC)の場合だと、機内Wi-Fiが用意されていないことがほとんどなので、その場合は注意しましょう!
ちなみに、国際線での機内Wi-Fiの利用は通常、オプション料金が掛かることがありますが、JALとANAが運航している国内線では、無料で機内Wi-Fiが利用できますよ。
JAL:https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/wifi_free/
ANA:https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/inflight-wifi/
機内Wi-Fiの使い勝手はどう?

以前までなら、機内Wi-Fiを使っても非常に低速なため、使い物にならないとされていましたが、今の機内Wi-Fiは速度が上がっているため、ネット閲覧や音楽鑑賞、動画視聴など問題なく利用できるはずです。
非常に速いとは決して言えませんが、簡単な通信なら、ほとんど問題ないでしょう。
筆者も以前、国内線JALの普通席に登場し、機内Wi-Fiを利用しましたが、遅延などせず、LINEやYoutubeが使用できました。
通信速度は、確か30Mbpsくらいだったと思います。
ちなみに、音声通話やビデオ通話は他の乗客に迷惑になるので、利用禁止となっています。
機内モードにしないと、CAにバレる!?

飛行機が離陸してから着陸するまでの間は、案内があるまで機内モードにするのが原則です。
しかし、機内モードの操作をするのは、客室乗務員ではなく各携帯の持ち主です。そのため、機内モードになっていなくても、CAにバレることはないでしょう。機内モードの案内が出る前後に、スマホをいじりまくってて、確認を求められない限りは。
何か異常が発生するなどの緊急事態以外や、機内モードの案内が出るギリギリまでスマホを使い込んでいない限りは、基本的にCAさんはスマホを確認しません。
筆者も搭乗の際、シートベルトの確認は毎回されますが、スマホの確認を今までに1度もないです。そもそも、離陸前に乗客のスマホを1つ1つ目で確認する時間はないでしょう。
ただし、もし何か通信に問題が発生すれば、CAさんは乗客のスマホを確認するかもしれません。その際、機内モードにしていないことがバレれば注意だけでは済まされず、重大な罰則を負うことになります。
機内モードにしないせいで、墜落した事例は、今までに一度もありませんが、飛行機が予定通り安全に運行するためにも、きちんと機内モードにするのは鉄則です。
ちなみに、機内モードにする方法が分からない時は、CAさんが通信を遮断する専用の袋を渡してくれるそうです。そのため、スマホの操作が苦手な方でも安心して搭乗できますよ。
そもそも、機内モードって意味があるの?

以上のように、日本では飛行機の搭乗中、機内モードにするのがルールです。
理由は、管制塔との通信に干渉してしまい運航に支障をきたしてしまうからでしたね。そのためにも、必ず機内モードをONにし、機内Wi-Fiを使用しましょう。
しかし、本当にモバイル通信のせいで、飛行機の運航が困難になってしまうものなのでしょうか?
実際、機内Wi-Fiの電波は管制塔との通信に干渉しない周波数に設定されているという話がありますがし、そもそも、電波干渉で飛行機が落ちるなんてことは、まずないと言われています。
EUでは、電波の届く範囲狭い5Gネットワーク装置「ピコセル」を飛行機に設置する代わりに、機内モードを廃止しようという動きがあります。
また、機内の電気系統にスマホの電波が干渉するという科学的根拠はあまりなく、米連邦航空局(FAA) が2012年に行なった調査の中で、携帯電話の使用が航行の妨げになった事例は、ほぼ無かったそうです。
日本では、機内モードが当たり前とされていますが、いつか必要がなくなる日が来るのかもしれませんね。
参照:https://www.gizmodo.jp/2024/03/no-need-for-airplane-mode.html