DLSS(Deep Learning Super Sampling)とDLAA(Deep Learning Anti-Aliasing)は、主にゲーム画面のグラフィックを高めるために用いられる、NVIDIAの画像処理技術のことです。
どちらもNVIDIAが提供するAIベースの画質向上技術ですが、それぞれの目的には明確な違いがあります。
この記事では、そんなDLSSとDLAAの違いについて解説していきます!
DLSSとは
DLSSは解像度、フレームレートを引き上げる

通常、高解像度の画像を生成すると、処理に時間がかかり、GPUの性能を大きく必要とします。そこで、DLSSは機械学習を使用して、低解像度の画像を高解像度に引き上げることで、処理速度を向上させます。
機械学習を使うことで、GPUの処理負荷を低減し、フレームレートの向上を行うことで、ハードウェアの性能を最大限に引き出し、高いグラフィックス品質を実現します。
期待される効果は以下の2つです。
- フレームレートの向上: 低解像度でレンダリングしてから高解像度にアップスケールするため、処理負荷が軽減され、フレームレートが向上する
- 画質の向上: AIが学習した高解像度の画像データに基づいてアップスケールするため、従来のアップスケーリング技術よりも自然で美しい映像が得られる。

つまり、DLSSは低解像度の画像をAIを使って高解像度にアップスケーリングする技術のことですね。
DLSSにはバージョンがある!
DLSSには、DLSS、DLSS2.0、DLSS3.0、DLSS3.5といったバージョンがあり、数字が増えるにつれてDLSSの画像処理性能が上がります。
また、DLSSはGeForce GTXシリーズのみ扱える機能となっていて、使用するにはGPU、ドライバ、ゲームソフトがDLSSのそれぞれのバージョンに対応している必要があります。
DLAAとは
DLAAは鮮明さや明瞭さをもたらす。


一方、DLAAは画像や映像を映すときに、前景色と背景色のが大きいと、境界部分に現れる階段状のギザギザ、いわゆる歯ぎれやジャギーなどの不自然な現象を軽減する技術のことです。
DLAAはこれに深層学習を用いることで、特にエッジの滑らかさや画像の品質を高め、鮮明さや明瞭さをもたらします。
また、従来のアンチエイリアシング技術よりも高精度にジャギーを抑制し、より滑らかで美しい映像を実現できるDLAAですが、DlSSと違う点は、アップスケーリングを行わないことです。
ネイティブ解像度の映像に対してアンチエイリアシング処理のみを行うため、DLSSのようなフレームレートの向上効果はありませんが、最高品質のアンチエイリアシング効果を得ることができます。



つまり、DLAAは、AIを使ってアンチエイリアシングを行う技術のことですね。
両者の違いは?


よって、両者の違いは以下の3つになります。
- 目的
- 処理
- 効果
目的
DLSSは、「パフォーマンス向上と高画質化の両立」を目的としている一方で、DLAAは「画質最優先のアンチエイリアシング」を目的としています。
そのため、DLSSは、高リフレッシュレートのゲームプレイなどのパフォーマンスが必要な場面で使われるのに対して、DLAAは、シングルプレイヤーゲームのようなパフォーマンスよりも画質を重視する場面で使われます。
処理
DLSSはゲームを内部的に低解像度でレンダリングし、その画像をAIを使って高解像度にアップスケールしますが、DLAAはゲームをネイティブ解像度でレンダリングし、その上でAIによる高品質なアンチエイリアシングを行います。
効果
DLSSは、フレームレート(FPS)の向上をもたらしますが、DLAAは、ジャギー(ギザギザ)の抑制やDLSSよりシャープで自然な映像、最高品質の映像表現をもたらします。



簡単にまとめると、DLSSは「ゲーム負荷を軽くするためにAIで高画質化する」のに対して、DLAAは「究極にゲーム画質を良くするためにAIで高画質化する」といったイメージです。
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まとめ
両者の違いは「対象とするニーズに対するアプローチ」と言えます。総括すると、DLSSはゲームグラフィックスにおいて高解像度と高いフレームレートの実現を目指す技術であり、DLAAは不自然な歯切れやジャギーを減らし、映像の品質向上を図る技術ということですね。
近年では、DLSSのアップスケーリングとDLAAのアンチエイリアシングを組み合わせ、より高品質な映像を提供するために、DLSS対応ゲームでDLSSを有効にすると自動的にDLAAも適用されるケースが増えています。便利な機能なので、利用するユーザーが増えると良いですね。
以上、DLSSとDLAAの違いについてでした。